膝やかかとが痛い…しかも、両足ではなく、片足だけに、となったら、少し様子を見てください。だんだん広がってくるような感覚があったら、ライター症候群かもしれません。
20台前後に圧倒的に多い病気ですが、子供から80歳くらいまで、様々な年代で発症します。関節リウマチ同様、関節や脊椎がおかされていく病気ですが、血清反応は陰性なので、血清反応院生脊椎関節炎、HLA関連性リウマチ疾患とも呼ばれます。
ライター症候群の始まりとは?
・膝やかかとの痛み(多発性関節炎)
左右どちらかの足の膝やかかとの痛みから始まることが多いようです。痛みは消えず、徐々に広がり、ほかの関節も痛んできます。両足になることもありますが、右足ではかかとが痛い、左足では膝が痛いなど、痛みが非対称性なのが特徴です。ライター症候群の70%に、かかと部分(アキレス腱の付け根のあたり)に強い痛みが発症します。
・無菌性尿道炎
尿道炎をおこし、膿状の分泌物が出ます。淋菌などに侵されている症状とそっくりなのですが、淋菌は検出されません。他の細菌検査でも陰性になります。このため、無菌性尿道炎と呼ばれています。排尿するときに痛みを伴うこともあります。
・結膜炎
目が赤くなり、痒くなる病気です。ひどくこすったりしなければ、悪化することはありません。
この3つの症状がそろうと、ライター症候群になります。
放っておくとどうなる?
放っておいても、80%は自然に治るといわれています。が、一過性のものであっても、多発性関節炎や無菌性尿道炎、結膜炎などの症状はつらいので、適切な治療を早く受けることが治癒のカギとなります。
20%の症例に、脊椎関節症の慢性化への移行が報告されています。脊椎関節症は、さまざまな症状がありますが、慢性化すると治癒はなかなか時間がかかります。悪化させないことが第一です。
脊椎関節症の主な症状として、
・強直性脊椎炎
夜間のひどい背中の痛み、朝のこわばり、アキレス腱炎などの症状を持ち、末梢の関節に変形性関節障害が起こることがあります。肺機能障害も伴い、前かがみ姿勢が固定されるため、まっすぐ寝ることができないなどの症状
・乾癬性関節炎
手の末節がおかされたり、骨関節が溶ける症状、爪の変形などの症状
のような関節炎が起きます。悪化させないために、自然に治るからと言って放っておかず、医師に相談して適切な治療を受けるのがよい方法です。