足の閉塞性動脈硬化症は、全身の動脈硬化が始まっている前兆でもあります。よく使う足だからこそ、異常も発見しやすいもの。何かおかしいな、と感じたら早めに受診しましょう。
閉塞性動脈硬化症の原因
動脈硬化によって動脈の内部が一部崩れ、そのために血栓という塊が生じて血管をふさぎ、その先の血管に十分な血がいかなくなるために起こります。
体の隅々まで酸素を運んでくれる動脈の血行がうまくいかなくなるので、肌は酸欠状態になって青白く冷えます。
閉塞性動脈硬化症の診断について
診断には、以下のようなことが行われます。
・家族に同じような病気を持つ人がいないか、喫煙歴はあるかなどの問診
・手足の皮膚の色(視診)
・温度(触診)
・尿、血液、腎機能の検査
・心電図
心電図は、狭心症や心筋梗塞などの症状がないかを調べるために行われます。
・眼底検査
眼底検査をすると、全身的な動脈硬化がないかどうか、糖尿病を持っているかいないかが診断できます。
・血圧検査
・動脈のX線撮影
動脈の効果の度合いを調べるために、動脈のX線撮影のほかにMRAや超音波血流測定をすることもあります。
閉塞性動脈硬化症の治療
閉塞性動脈硬化症の治療は、血管外科で行われます。
軽度、中度の軽傷なら、薬での治療が行われます。血液を固まりにくくするための血小板凝集抑制薬、血栓があっても血管に血が流れるようにするための血管拡張薬などが使われます。
強度でも重い場合、または、重度でも血管がしっかりしている場合は、血栓を取り除いたり、血管のバイパス手術などが行われます。
重度以上で、血管が手術に耐えられないほどもろくなっている場合は、交感神経切除という、神経を切断する手術をしたり、薬で症状を抑えることが多いようです。
予防のために
動脈硬化を進行させてしまう喫煙は百害あって一利なしです。特に症状が始まっている場合は、タバコは絶対にやめてください。
血管などの循環器系に重要な影響を持っているのが、食事です。バランスのとれた食事、腹八分目を心がけることで症状が緩和する例も少なくありません。
血液の濃度が高いと詰まりやすくなってしまいますので、血液の濃度を下げるために水分をたくさん飲むのも効果的です。
身体の保温にも気を付けましょう。正座や長時間の立ちっぱなしは避けましょう。
血管は全身にくまなくめぐっており、全身の血管を取り換えることはできません。無理をせず、体に良い食生活を心掛け、異常があったらすぐに受診をするようにしましょう。